2021/3/03
1990年頃大阪伝統工芸品に関わる映像が見当たらなくて、自作教材を作っていました。
この映像を撮ったのは、おそらく阪神デパートで大阪の伝統工芸品が展示されており、その時に玉の美しさに目が行き、藤村さんに交渉して撮影許可をもらいました。
ただ、製作工程だけでしたから簡単ですが、当時、トンボ玉って何という時代でした。私もトンボ玉って不思議な名前と思っていました。そこで、文献を読み、その後、 簡単な絵コンテ描き撮影を始めました。
撮影が始まっても藤村父子はほとんどと言っていいほど、私には話をしてくれませんでした。職人さんは自分のイメージ通り無口なのかと思ってしまいました。
撮影は、ポジションを変えて、職人さんの表情を比較的アップで撮りました。撮影を重ねる内に こちらも思い入れが強くなり、編集ではカットしていくことに悩みました。私もその後、トンボ玉を作りたいと思い、クラフトパークなどに習いに行きました。
そこで分かったことは、藤村さんが使っているガラスとクラフトパークで使っているガラスの色の 違いでした。藤村さんのは、色をすべてご自分で作っているということでした。
各都道府県指定の伝統工芸品の中で、トンボ玉で指定されたのは藤村さんの玉が最初です。 藤村父子、飯降喜三郎父子のお陰でトンボ玉の名は知られるようになっていきました。